オリジナルマーダーミステリーの紹介

オリジナルマーダーミステリーを綴るブログです。

デザデザ プロローグ

【デザ×デザ】

この作品は、作者りぃの作品である7人用「デザ×デザ」を原作として、スナツキンによって35人用に新たに作成した二次創作(同人作品)です。非公式の位置づけになります。

 

そのため、原作と異なる点やキャラクター解釈の違いや設定が異なる部分が多々あることをご了承下さい。

 

例)公式→ウッドベルと涼音は結婚していて、ミーナが生まれた。

非公式→ウッドベルと涼音は結婚していないが、ミーナが生まれている。

 

【プロローグ】不思議な世界

 


私たちはまさに狐につままれた状況に陥っていた。

 

現在、確かに飛行機のVIPルームにいる。日本から中国行きのフライトの最中だ。

外の景色は、紫色の霧で覆われていた。よく観察すると飛行機は動いていないことに気付く。

ありえないことが実際には起きていた。飛行機が空中で固定されているのである。

 

なぜ飛行機が飛ぶかは解明されていない。大きな鉄の塊が飛ぶ原理を物理学者は解明していないのだ。定義的に下に引っ張る力を「重力」と呼ぶのなら、上に引っ張る力を「揚力(ようりょく)」とし、ある程度の高度では「揚力」が働くがゆえに飛行機が飛ぶとしている。そもそも「揚力」自体解明していないのだから飛行機が飛ぶ原理が解明されていないのも納得だろう。

 

ただ、今ある現状はそんなレベルではなかった。空中で飛行機が固定されるというのは物理学を完全に無視しているのである。

 

紫色の霧は機内にもかかっている。ラウンジに置いてある時計を注意深く観察すると、12時で止まっていて動いていない。

エコノミー席を覗いてみると、紫色の霧に包まれた人間が人形のように固定されている。

 

そこで気付く。ここは『時が止まった世界』であることに。

 

そして奇妙なことではあるが、これから起こることを知っている。

12時以降に何が起こるかを……そして副機長の『江波承太郎』が死亡することも。

 

この状況で考えられることは大きく分類されると2つ。1つ目は「未来予知」をしていること。これから起こりうることをすでに体験しているかのように記憶していること。2つ目は「時間が巻き戻っている」ということ。今ある記憶はすでに体験したもので、タイムリープして現在に戻ってきたか。

 

この不思議な空間を自由に動ける人間はこの場にいる7人だけである。

 

この紫色の霧を晴らす方法は、それぞれ気付いていた。

紫色の霧の一部がどくろのような形に集まり7人に語りかけたように感じた。

 

「ジケンノ ハンニンヲ サガセ サスレバ ミライハ カワル」

そしてそれは確信に変わる。それぞれ事件に思い当たる節がある。

この不思議な空間から出るために、お互いに情報を交換することにした。

 

「ジケンノ ハンニン」というのは抽象的ではあるが、『江波承太郎』殺害の件が「ジケン」に当てはまると考え、記憶の中にある『江波承太郎』を殺害した犯人を探すことにした。